AI時代が進んだ時に私たちの仕事はどうなってしまうのでしょうか?
AIの台頭について悲観的な書き方をしているメディアも多く、その典型が「AIに奪われる仕事ランキング」というものではないでしょうか。
私たちはAI時代に備えてどのようなスキルが求められるのか?また、教育はどのように変化していくのか?そんな問いに対して考えるキッカケを与えてくれたのは元リクルートの藤原和博さんの講演でした。
今回は、AI時代に必要なスキルについて要点をまとめてみますので、一緒に見ていきましょう。
能力の三角形
私たちは基本的な能力として基礎的人間力・情報処理力・情報編集力という3つを持っています。
この能力は、いわばPCでいうところのOSで人間の土台になるような部分ですね。
これが、AIの台頭によって重要な比率が変わっていくという事が言われています。
もう少し具体的に言うと、今までは、要は忍耐力が必要とされる受験勉強等で答えのある問いに対していかに正解を早く言い当てるかという基礎人間力+情報処理力に比重が置かれてきました。
しかし、AI時代が進むにつれて今後は答えのない問いに対していかに納得解を出していけるという基礎人間力+情報編集力が重要になってくるという事です。
3つの能力を理解する為に、少しそれぞれについて見てみましょう。
基礎的人間力
基礎人間力とは、体力・忍耐力・精神力・集中力・直感力など人間の基本的なOS部分になります。
基礎人間力は育った環境によって育まれていくものなので、家庭教育がベースになっていますし、差が出やすいところでもあります。
今までは特定の能力ばかりにフォーカスが当たっていましたが、実は精神力や忍耐力といった基礎的人間力が物事を成し遂げる為に必要な能力と言われるようになりましたし、最近では「モチベーション格差」という言葉も出てきました。
それほど、このOS部分がしっかりしていないといくら特定な能力をつけようが付け焼き刃にしかならないという事ですね。
情報処理力
情報処理力とは、いわゆる知識・知能といったもので今まで学校で習ってきたような国語・数学・理科・地理・公民など一般的な内容になります。
ここで測られるのは、正解がある問題に対して正解をいかに早く正確に言い当てるかという力で、まさにこれまでの日本の教育が注力してやってきた分野になります。
しかしながら、皮肉な事に実はAIが一番得意とする部分というのはまさにこの情報処理力で、膨大なデータから自分で正解を探し出してくるAIに人間は敵わなくなります。
だからこそ、このままの教育ではやっていけないという危機感があるわけですね。
情報編集力
情報編集力とは、思考力・判断力・表現力といったものでコミュニケーション・ロジカルシンキング・シュミレーションなどの内容になります。
ここでは情報処理力とは違って、想定外の問題に対して何とか答えを導き出していく力で、答えを探すというよりは納得解を出していくというものに近くなります。
この部分は人間にしかできないと言われる部分で、私たちが身につけていけなければならない能力になります。
今後はAIが大量のデータから出す情報から人間がインサイトを得て、納得解を出していくというプロセスになると言われています。
スキルの掛け算でレアキャラになる
上記を見てもわかるように、単純化されたルーティーンの仕事はAIやロボットが一番得意とするところで、今後10年で消える仕事になっていくと推測する事ができます。
AI時代の働き方でポイントなのは「スキルの掛け算でレアキャラを目指す」という事で、これはホリエモンが提唱している「多動力」とも非常に似ている部分があります。
言い換えれば、一つのスキルを100%突き詰めるより、80%のスキルを2つ3つ持ってかけ合わせた方が重宝される時代になっていくという事ですね。
それを体現しているのが、プロバスケットボール選手でもある岡田優介さんなのですが、非常に参考になります。
岡田さんはプロバスケットボール選手でありながら公認会計士、スポーツバー経営、バスケットチームオーナー等、実に12個の仕事をしているんですね。
10年前ぐらいまでに終身雇用と言われていた時代からは信じられない変化ですよね。
今後はより自分でレアキャラになってキャラ立ちさせていく事が重要になるので、転職市場も今よりもっと流動的で型にはまらない働き方が増えてくると思われます。
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まとめ
藤原さんの講演を聞いていて、非常に印象的だったのが「AI時代にはなくなる仕事だけでなく、新しくできる仕事もある」という事でした。
一つの事に拘るよりも環境や時代に合わせて柔軟に対応できる力こそが重要で、逆にそういった姿勢を持ち合わせていれば非常にチャンスが多いエキサイティングな時代とも言えるでしょう。
せっかくこんな大きな変化の時代に生きているので、ネガティブに考える事のではなく、是非この変化を楽しみたいものですね。Good luck!