キャリアや転職を考える上で、今後「ゼネラリスト」か「スペシャリスト」のどちらを目指していくべきかというのは大きな悩みだと思います。
様々な方とお話していると入社して2〜3年目でやっと仕事が慣れてきたという方が、こういった事について考え出すようなタイミングなのかなと感じます。
どちらを目指すかで今後の方向性や積まなければいけない経験は変わってきますので、両方の特徴を理解した上で今後のキャリアや転職に活かしましょう。
両方のキャリアを理解する
様々なところで、「ゼネラリスト」と「スペシャリスト」について議論があります。例えば、「ゼネラリストの方が転職で潰しがきく」とか「スペシャリストは転職市場でも価値が高い」等、実に様々な意見がありますね。
まず始めに、それぞれどんな特徴を持っているのかについて見ていきましょう。
ゼネラリストのキャリアパス
ゼネラリストですが、複数の分野で業務経験を持ち、それぞれの分野で70%ぐらいの知識を持つ人と考えると良いかと思います。一般的には、大企業では2〜3年ごとにジョブローテーションの機会が設けられていたりと、ゼネラリストが育成されやすいような傾向があります。
ゼネラリストは「経理部→営業部→商品企画部」というように幅広く経験を積んでいきますので、業務知識がつくのはもちろんですが異なったバックグランドの方々と仕事をする事になります。そういった経験から、調整力や推進力といったスキルが身につくと言って良いでしょう。
結果を残すとマネジメント業務も任せられる事になりますので、今までの幅広い業務経験を活かしてチームメンバーと円滑なコミュニケーションをとりながら結果を残していく事が求められるようになります。
一方で、ゼネラリストであれば尖ったスキルがなく万遍なく仕事をこなすので、なかなか印象に残りにくい傾向があったり、日本ではゼネラリストの方が多いので、どうしても競争は厳しくなりがちと言えるでしょう。
スペシャリストのキャリアパス
スペシャリストですが、高い専門性を持ち、その専門性を活かして特定の分野で仕事をする人と考えると良いかと思います。例えば弁護士、会計士、技術職、人事、経理といったそれぞれの分野で重点的にキャリアを積む事でスペシャリストへのキャリアを歩むイメージですね。
例えば、営業で言うと「大手企業へのルート営業→中小企業への新規営業開拓」といったように営業という軸で業務経験を積む事で「どんな商品でも売れる」というような「営業のスペシャリスト」を目指す事が可能になります。
スペシャリストはマネジメントスキルを磨くというよりも、自分の持っている専門性に磨きをかけてチームに貢献するというスタンスの方が多いです。
一方で、スペシャリストは特定の分野で活躍するので、もしその部門が廃止されたり、社内での優先順位が下がってしまうと活躍の範囲が限られてしまう傾向があります。
転職市場ではどちらが価値があるか?
現状から言いますと、「ゼネラリスト」と「スペシャリスト」ともに市場からニーズがあって、どちらが有利という事はありません。また、最近では捉え方に変化が起きている事も事実です。
今までは、どちらかを選んでキャリアを積んでいくという事が主流でした。それはなぜかというと企業という組織が終身雇用など均一化されたものだったので、どちらかを選べばそれぞれの道が拓けるという事だったからです。
ただ、最近ではかつてのように右肩成長は終わって、安定と言える企業もない状況ですよね。
自分の志向性で判断しよう
最近では、「プレイングマネージャー」という役割が出てきたりと働き方も多様化してきました。
ゼネラリスト・スペシャリストという枠組みだけではなく、今後あなたがどういったキャリアを歩みたいかや、自分ができる事・やりたい事をベースに考えていく事が求められてきます。
逆に言うと非常に柔軟で何でも目指せる良い時代になったという事でもあるので、是非仕事やキャリア自体を楽しんでいきたいものですね。