「アメリカで働きたい」と思った時に、高いハードルになるのが就労ビザを取得しなければいけないという事ですね。
この就労ビザ取得については経済情勢や大統領などによっても発給数が変わりますので、なかなか読めないというのが現実です。
なかでも、H-1Bビザという就労ビザはアメリカで働きたいと思った時に一番ベーシックで人気のビザになります。
今回はそんなH-1Bビザのプロセスと実際のタイムラインについて見ていきたいと思います。
H-1Bビザとは?
まず、H-1Bビザとは何ぞや?というところからスタートしましょう。
H-1Bビザは、アメリカにある企業が専門職の外国人労働者を雇用したい場合にUSCIS(United States Citizenship and Immigration Services)に発給申請できるもので、非移民向けの就労ビザと呼ばれています。
ここでいう専門職とは、アメリカでSTEM(Science, Technology, Engineering and Mathematics)と言われる重点分野を中心に、例えばソフトウェアエンジニア、会計士、医者等が挙げられます。
日本でも海外高度人材を呼ぼうといった流れがありますが、要は自国に利益をもたらしてくれそうな海外人材をH-1Bビザを発給して特別に就労許可を与えるという事なんですね。
このH-1Bビザはいつでも発給できるという事ではなく、年に一回4月1日から一斉に応募が始まって抽選によって決められます。
現在のH-1Bビザの年間発給数は65,000となっており、これに別途米国修士号以上取得者を対象として20,000の枠が割り当てられています。
抽選と言っても上記のように大学院卒を優遇して別枠を設けたり、人種や出身国が偏らないようにバランスをとるような配慮も行われていますので、ランダム抽選まではいかずに調整が入っているというのが実際のところだと思います。
H-1Bビザ申請の要件
H-1Bビザの申請要件として、最低4年制大学を卒業して "学士 = Bachelor's Degree"を持っているか、またはその専門分野で学士同等の経験実績が求められます。
例えば、アメリカで会計士としてH-1Bビザを申請する場合は、学士で会計学専攻をしていたり、既に他国で会計士として数年以上の職務経験があるなど、アメリカで希望する職種との関連性を見られます。
特殊技能職であるかどうかの判断や最終的な抽選までは一貫してUSCISが実施する事になります。
プロセスとタイムライン
基本的に、H-1Bビザの抽選に応募しようとすると雇用先の企業にスポンサーになってもらう必要があります。
要は、雇用先の企業が「企業を成長させる為に、特殊技術を持っているこの人材(外国人労働者)が必要」という内容を労働局とUSCISに申請して承認を得る必要性があるという事なんですね。
こういったプロセスがあるので、H-1Bビザ申請する以前に、企業側にここまでしてでも雇用したいと思ってもらわなければいけないのでハードルが高くなっているんですね。
H-1Bビザの申請には担当弁護士に必要書類(パスポートのコピー、成績証明書、卒業証明書など)を提出して、最後にまとめてUSCISに送付してもらう形が一般的です。
下記は、H-1Bビザ申請の大まかなタイムラインになりますが、年度によってや地域によっても変わるので参考程度に見て下さいね。
1月下旬〜3月中旬 弁護士と必要書類を作成
3月下旬 必要書類をパッケージングして弁護士からUSCISに送付
4月1日 USCISで抽選開始
4月下旬 USCISからReceipt Notice受け取り
6月中旬 USCISからApproval Notice受け取り
10月1日 自動的にH-1Bステータスに切り替わり
まとめ
H-1Bビザ取得はハードルが上がっているのも事実ですが、個人的にはチャレンジするだけの価値はあると思っています。
どうやってH-1Bサポートがある転職先を探せばいいの?と思う方もいるかもしれませんね。
そういう場合は、効率良く情報収集する為にも転職エージェントを利用しましょう。
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また、「どうしてもアメリカで働きたい」という方はH-1Bビザと比べて取得が容易なJ1ビザという方法もありますので、ご興味ある方は下記をご確認下さいね。
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是非、アメリカで働くという目標を達成してビジネス界で活躍される事を期待しています。Good luck!